AKG(アーカーゲー)のBluetoothヘッドフォン「Y50BT」の購入・実機レビュー。価格コムやAmazonで人気の高かったポータブルのワイヤレスヘッドフォンの音質やフィット感、音漏れやデザインなどを評価していきます。
AKG Y50BTのレビュー
AKGのY50BTは、Bluetooth接続に対応したワイヤレスヘッドフォン。高いデザイン性と高音質での伝送(AACやapt-X)にも対応しており、小型でありながら気軽に高品質の音楽が聴けるポータブルヘッドフォンになっています。
製品名 | Y50BT |
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タイプ | 密閉ダイナミック型Bluetoothワイヤレス(オンイヤー) |
カラー | ブラック、ブルー、シルバー |
Bluetooth | バージョン3.0 |
対応コーデック | SBC、AAC、apt-X |
対応プロファイル | A2DP、AVRCP、HFP、HSP |
使用時間 | 音楽再生約20時間(充電3時間)<使用環境により異なります> |
ユニット | 40mm径ドライバー |
周波数特性 | 17Hz – 20kHz |
感度 | 105dB/mW(有線接続時) |
インピーダンス | 32Ω |
入力プラグ | φ3.5mmステレオミニプラグ(L型) |
ケーブル長 | 1.2m(ストレートケーブル) |
重量(ケーブル含まず) | 245g |
付属 | ヘッドホンケーブル、充電用USBケーブル、キャリングポーチ |
価格 | オープン価格 ※公式通販サイト販売価格16,880円(税抜) |
カラーは「ブラック・ブルー・シルバー」がありますが、今回はシルバーを購入してレビューしています。
デザイン
まずは開封から。1万円台のBluetooth対応ヘッドフォンということでコスパを重視したパッケージになっているのか、箱自体は簡素な作りになっています。
本体以外には説明書や保証書などが付属しますが、今回のモデルは無線接続ならず有線での接続も可能になっています。なのでイヤホンジャックに接続できるケーブルが付属しますし、充電用のmicroUSBケーブルも付属。
持ち運び用のキャリーポーチもついてきます。本体・ケーブルがすっぽり収まるサイズなので、バックに入れるときも安心です。
イヤーパッドは厚すぎず薄すぎず。オンイヤーヘッドフォンにしては丁度良い柔らかさになっています。
アルミのイヤーカップがスタイリッシュなデザインに。カラーは3色あるのですが、実はホームページでみるブルーの色あいや光沢が若干実物と異なります。ブルーはチープな感じがしたので、個人的にはシルバーかブラックがおすすめです。色んなファッションにも合わせることができますしね。
音質
全体的にバランス良く聴けるといった感じで、価格コムのレビューではややドンシャリというコメントがありましたが中音もしっかり鳴らしてくれている印象です。
AKGといえばリファレンスモデルのヘッドフォンなども人気がありますが、Y50シリーズはエントリーモデルながら低音もしっかり表現しつつクリアに聞こえるので、なるほどデザインも音質もこだわった若年層向けのエントリーヘッドフォンというのが分かる気がする音作り。ボーカルのしっかり聴けるので、ジャンル問わずライトに音楽を聴きたい方におすすめといえるかもしれませんね。
ちなみにBluetooth対応のヘッドフォンやイヤホンというと伝送の段階で圧縮され失われる音も多くタイムラグが発生することがありますが、AKG Y50BTは「AAC(Advanced Audio Coding)」と「apt-X」というコーデックに対応しているためiPhoneやAndroidスマートフォン対応機種なら高音質な音楽が楽しめます。
AACはiPhone
AACは比較的新しいiPhoneが対応しているBluetoothの転送コーデックです。通常使われるSBCに比べてタイムラグが少なく高音域も維持するので高音質で音楽を楽しめます。…というのが期待したい部分ですが、ただし現状ではiPhoneで再生するファイルがAAC形式でも一度復元されてAACに再変換されてから送信されるようで、結局は再圧縮による音質ロスが起こるそうです。(Phile-Web参照)
たしかにiPhoneで試聴した際はSBCと比べてそこまで違いは感じませんでした。人によって感じ方は違うのかもしれませんが…。
apt-Xを対応Androidスマートフォンで試聴
apt-Xコーデックは圧縮率が少なくタイムラグもなくなっているため高音質・低遅延で聴けるというメリットがあります。ボーカルもしっかり聴けるし、ピアノ系、ドラム系の楽器もちゃんと聴ける。オンイヤーということで臨場感には少し欠ける部分も感じましたが、そういった方は別のオーバーイヤー型を購入すると良いと思います。
aptXで低遅延が期待されるわけですが、正直通常のSBC伝送でもそこまで違いは感じませんでした。例えば動画を視聴したり音楽を聴いたりする部分ですが、こだわりがなければ普通の有線ヘッドフォンと同じように聴けるし、よほど気にしない方でなければ問題ないです。なのでAACやaptXに対応していない機種で聴く場合でも、そこまで気にしなくて良いのではないか、というのが正直な感想。
フィット感
フィット感の部分は頭の大きさや耳の形状によって違いが出てくるのでなんとも言えない部分ではあるのですが、まずイヤーパッドは柔らかく心地よい素材です。
ただし締め付けは少し強めなので、快適に使うには調整が必要かもしれません。筆者も広げるように少し工夫してます。
またオンイヤーなので、人によっては長時間つけていると疲れます。例えば外出先でつけている分には人によっては問題ないですが、例えば自宅での作業用に長時間使用使いたい方には向いていません。…当然といえば当然ですが。
操作性
Y50BTの操作ボタンは右側に集約されています。Bluetoothの電源ボタンと、音量調節、再生ボタンなどが設置。マイクも設置されているので、ハンズフリー通話もOKです。
正直な感想を言うと、ボタンが結構小さい。操作に慣れるまで時間がかかりますね。…本体がかなりコンパクトに設計されているのでしょうがないのですが、音量などをさっと調整したい方には少し気になる部分かもしれません。
…左側にはmicroUSBポートがあり、ここから充電できるようになっています。
携帯性・持ち運び安さ
AKG Y50BTはコンパクトな作りになっているので、携帯性はおすすめできるポイントです。特に折り畳みが可能になっているので、キャリーポーチに入れて気軽に持ち運べるのはGood。
小さいので首にかけていても目立たないし、デザインが良いので気にならない程度にファッションのアクセントになります。
またフル充電からなら最大20時間の連続再生がOKとのことで、持ち運んで使えるBluetoothヘッドフォンとしてはあまり電池を気にしなくても良いのはおすすめ。例えバッテリーが切れても有線ケーブルを接続して利用できるのは便利で、1.2mのケーブルも持ち運びにはちょうど良い長さとなっています。
外音遮断性
ノイズキャンセリングや防音特化といった感じではもちろんないので、普通です。締め付けがしっかりしているので程よく遮断してくれますが、他のヘッドフォンと比較して特段良いというわけでもないのであまり購入要素にはなりません。
音漏れ
密閉型ということでそこそこ音漏れを防止してくれてはいますが、もちろん大音量で聴くと音漏れはします。静かな場所で利用したところ75%程度の音量でほんの少し音漏れすることを筆者以外の方に確認してもらいましたし、100%の音量だと聴く音楽によってはふつうに聴こえます。
場所によっては大音量で聴くと気になるかな、という程度なので、普通の音量であればそこまで気にならないのではないでしょうか。
価格
記事執筆時点で1万5000~7000円程度の価格になっていました。…この価格をどう捉えるかによって評価は変わってくると思うのですが、筆者としては「音楽はオールジャンル、携帯性に優れる、Bluetoothで最大20時間」に加えてデザイン性が優れているので、外出先メインで使うなら購入してもよい価格と品質。
…私自身「外出先で持ち運びに便利なBluetoothヘッドフォンが欲しい、でも音質には少しこだわりたい」という思いで購入したので、当初の購入動機はしっかりクリアしてくれたヘッドフォンのように思います。
現実的に言えばヘッドフォンなど腐るほどありますし、電池が持つBluetooth対応モデル、オンイヤー、オーバーイヤーなど様々です。ただしデザインも兼ね備えたコンパクトモデルでこれだけ鳴るなら、そういったモデルが欲しいかたには使ってほしいヘッドフォンと言えそうです。