公開と配信がすぐそこまで迫ってきていると言われる新OSバージョン「Android 7.0 Nougat」ですが、もちろんこれらのアップデートによってパフォーマンスの向上や電池の長持ちといったメリットが期待されるのは当然のことです。
特にバージョンが大きく変わるアップデートにおいてはユーザーからの期待も大きく、このあたりがどう変わっているかで「Android 6.0 Lollipopでもいいや」となったり、購入したい機種は割と変わってくるように思います。
今回の記事では特にパフォーマンス部分と電池持ちの部分に焦点を当てて「Android 7.0 Nougatでどれだけの恩恵があるのか?」について調べてみました。
プロジェクトSvelte
「Project Svelte」というのは2013年のAndroid 4.4 KitKatと共にスタートしたプロジェクトで、ローエンドのスマートフォンでもしっかりパフォーマンスが向上するように、という内容でした。この路線はある程度の成功を収めているようで、特に最近価格の安いスマートフォンでもしっかり動作し、かつバッテリーライフも十分な機種が増えていることからしても、その効果は実証されていると言って良いかもしれません。
さて最新のAndroid 7.0 Nougatはというと、これをより推し進めてパフォーマンスの向上を図るととともに、バックグラウンドでの処理をより効率的に行うシステムになっています。
Changes to Svelte address two specific and important issues that force apps to run in the background
Android 7.0 Nougatに於けるSvelteプロジェクトは、2つの大きな問題が改善しているとしています。
- ネットワーク使用に於けるアプリのチェック。今まではネットワークを切り替えるとアプリがこれらを感知して一気に起動していました。これがNougatになると大きなきょういになるばあいにのみ起動するようになるので、アプリ全体が一気に起動することによるRAMとCPUの稼働率を減らし、少ないパワーでより良いパフォーマンスが期待できます。
- 以前のAndroidバージョンではカメラ機能に関するアプリを利用するだけで多くの(余計な)アプリが起動し、それがパフォーマンスの妨げになっていました。7.0にアップデートするとその情報はすべての端末に送られるわけではなくなるので、アプリ側がアップデートしない限りは写真や動画を撮ってもこれらは起動しないようになります。
簡単に言うと「バックグラウンドでのシステムを効率化して、パフォーマンスをあげましょう(CPUやRAMの稼働率を下げましょう)」という話で、つまりはスマートフォンへの負担を減らすという意味合いがあります。これがProject Svelte。
Project Doze
プロジェクトDozeは主に消費電力に関する改善のプロジェクトで、すでにAndroid 6.o Marshmallowで搭載されている機能でもあります。
簡単に言うと「アクティブ化していない状態、もしくは端末がスリープ中の状態である時などのシステムを効率化し、節電する」というモードです。
ではこれが7.0 Nougatではどうなるのかというと、Dozeモードは2つのステージで節電を行うようです。
- スクリーンがOFFでスマートフォンが充電されていない状態
- スマートフォンが静止している状態
スマートフォンがしばらくの間スクリーンがOFFでスリープ状態になっていると、アプリはネットワークへのアクセスをストップして、データ同期のような作業はそれから一定の時間がたつまで実行を延期されるようになります。
またGPSの現在地特定などもありますが、これらも実際に機能を使うまではほとんど動いていない状態で、つまりはより長いバッテリーライフに貢献するというわけです。
Android 7.0 Nougatも完璧ではないが、それでも確実な変化になる
さてこのSvelteとDozeがすべてのパフォーマンス問題とバッテリーライフの問題を解決するかというと、完全にそうとは言えないでしょう。
ただしこれらの変更点は理論的にパフォーマンスと電池持ちといった特定の領域の問題にしっかり取り組んでおり、少なくとも今現状搭載されているOSバージョンのスマートフォンよりは改善が見込めると思って良いはずです。
そろそろアップデート配信の正式発表がありそうなものですが(一応2016年第3四半期に正式リリースされる予定です)、果たしていつ頃になるか楽しみですね。
Source:AndroidCentral
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