Huaweiから次世代SoCの「Kirin950」が発表。TSMCの16nm FinFET+プロセスを採用しトランジスタも30億を装備。消費電力も一気に下がったことに加え、ベンチマークでもハイスコアを記録している模様です。今回はスペックと特徴をまとめてみました。
この記事の目次
Huawei Kirin950(オクタコアSoC)を発表
中国のスマホメーカーがハイエンドモバイル端末向けのSoC「Kirin 950」を発表。同社は参加に「HiSilicon」というプロセッサーメーカーを持っており、こちらで開発されたハイスペック機です。性能の向上とともに省電力化が図られているということで、今後搭載されるスマートフォンにも注目が集まっています。
HiSilicon開発のプロセッサ
TSMCの16nm FinFET+プロセスを世界で初めて採用したSoCということで、驚異の30億といトランジスタを搭載。28HPMと比較して65%のスペック向上を実現しているのだとか。これは20nmプロセスと比べても40%上と発表があり、かなり胸熱になる内容となっています。
Cortex-A72に基づくアーキテクチャ
CPUはオクタコア仕様となっており、世界初のCortex-A72アーキテクチャを採用。最近のハイエンドモバイル端末に搭載されているA57よりも性能は11%上ということ。

日本ではまだまだ有名ではないHuaweiではありますが(追記:格安スマホでだいぶ有名になりましたね)、世界では通信関連企業・スマートフォンメーカーとして名を馳せており、アメリカとバチバチに火花を散らしていたりもします。
現在国内ではSIMフリー/格安スマホとして高コスパの会社で知られているHuaweiですが、日本でも今後ハイエンドスマートフォンを投入してくる可能性も考えられますね。(追記:楽天モバイルで発売されるhonor 8に搭載されました。)
- CPU(オクタコア):4×Cortex A53 1.8GHz / 4× Cortex A72 2.3GHz
- GPU:Mali T880MP4 900MHz
GPUにはMali-T880を採用
最近の中国はやっぱりすごい。今回のKirin 950にはARM設計の「Mali-T880」を搭載しておりグラフィックス性能が前モデル比で約2倍にアップしているのですが、別の部分で省電力化を図っている点も見逃せないポイントです。
通常スペックを強化していくと「バッテリー消費・発熱問題」などに対策が必要ですが、最近のファーウェイはベンチレーションシステムにも力を入れており、発熱が少ないこともアピールポイントにしている機種が多いです。
消費電力も60%削減
先述の通り、消費電力に関しても削減を図っている点は注目すべきメリット。内容を要約すると
- Cortex-M7ベースのi5を内包
- センサーデータを収集
- スリープ状態から瞬時に復帰OK
- 待機時の電流が減るので、電池持ちが良くなる
という構造になっているようです。具体的に言うとスマホのバッテリーライフは約10時間プラスとなり、2日は電池が持つということでした。ちなみに個体差や使用状況にもよりますが、待機時の消費電力はスマートフォンの永遠の問題かと思うので、これは大きな進歩と言えそうです。
Huawei kirin950の特徴
ここからはKirin950の実際の特徴とおすすめポイントについて解説していきます。搭載機種が出てきていないのでなんとも言えませんがベンチマークスコアも好調のようで、「VoLTE対応」など期待がかかります。噂を集約するHuawei次期フラグシップモデルの「Mate 8」に搭載されるという情報もあり、年末までニュースに目が離せません。
ベンチマークスコアはぶっちぎり
G for Gamesが公表した「AuTuTuベンチマークテスト」によれば、発表会で展示されていたデモ機のスコアが「82,945」という数値を残したようです。また下の動画はHUAWEI Mate 8とAntutu benchmark 6.0.4での計測結果ですが、「9万612点」とのことなので、ハイエンド機に搭載されてもまだまだ活躍できるのではないでしょうか。
これがどの程度のスペックかといえば、Samsungの最新機種「Galaxy Note 5」が7万点程度なのでどれだけの高性能かがわかる内容となっています。もちろんKirin 950はフラッグシップのスマートフォンに搭載される可能性が高いですが、もし価格が他社以下なら爆売れする可能性も…これは日本でもSIMフリー機に搭載してほしい。
(追記:こちらの記事は若干古い情報ですが、最新ニュースでいうと楽天モバイルが発売するHUAWEI Honor 8にKirin 950が搭載されています。honor6 plus同様に楽天モバイル独占販売だそうなので、気になる方はこちらをチェックしておきましょう。)
公式サイト:【楽天モバイル】
VoLTEに対応
内臓モデムがVoLTEに対応しているとのことなので、さらに期待が高まります。ちなみに旧モデルのデュアルチップからシングルチップへ変更を行ったことで、ここでも省電力化が図られているんだとか。
新モデル「Huawei Mate 8」に搭載か
もっぱら噂になっているのは「Huawei Mate 8」というメイトシリーズフラグシップ機へのSoC搭載です。同社では大きく「8」と書かれた発表会用にティーザー画像が中国版ツイッター「Weibo」にてリークされています。

huawei mate 8 rumor
こちらの情報によれば2105年11月26日にはMate 8が発表される見通しで、時期的にもHisilicon kirin 950が搭載される期待度は「濃厚」と予想されている状況なので、11月がスマホ海外ニュースから目が離せませんね。(追記:少し更新が遅れましたが、こちらには搭載されましたね。)
楽天モバイルのhonor 8に搭載

HUAWEIのhonor 8にも搭載しています。Kirin 950に加えてRAM4GBという大容量メモリ、P9でも採用されたダブルレンズなどを搭載しており、ここまでくるとミドルハイではなくてハイスペックと呼んでも良いのではないでしょうか。
価格も4万2800円と格安スマホの範囲内で、数量限定で3万5800円で発売されるようです。honorシリーズということで前回のhonor6 plus同様に楽天モバイル独占販売(ファーウェイジャパンのオンラインストアでも単体発売あり)ということで、気になる方はチェックしておくと良いでしょう。
公式サイト:【楽天モバイル】
まとめ
Geekbench 3でもサムスンの「Exnos 7420」を上回るとのリークもあった当プロセッサー。SIMフリー格安スマホで日本では人気ですが、ハイスペック端末の発売と共に価格も釣りあがっていく可能性も。この辺りは日本のスマホユーザーは知っておく必要がありそうですね(実際コスパの良かったスマホメーカーも、現在は5~6万円台の価格で世界進出している会社が多いですし…)
(Source:ANANDTECH (English))