元はSonyのノートパソコンブランドであり、そこから独立したVAIO株式会社が新たにSIMフリーでLTE対応の「VAIO s11」を発表し、同時にドコモ回線を使ったMVNOに参入する事になりました。
期待のビジネスモデル「VAIO S11」と「PC向け」MVNO
VAIOがこのたび公開した「VAIO S11」はLTE対応を前提としたビジネス向けのモデルであり、国内向けの通信バンドに完全対応しています。
- OS Win10 home(Pro) or Win7
- プロセッサー 第六世代Intel Core i7/i5/i3
- メインメモリ 8GB or 4GB
- ディスプレイ 11.6インチ フルHD
- ストレージ SSD512GB/256GB/128GB
- WiFi 802.11a/b/g/n/ac
- SIM microSIMカード
LTEでの利用が大前提のS11
VAIOがこのたび発表したS11は「国内でのビジネスシーン」と利用用途を限定する事で、かなり特徴的な端末に仕上がっています。
特に通信の部分ではwifiや有線LANはもちろんの事、SIMカードスロットを搭載しており国内のドコモのLTEバンドをほぼ網羅しています。
- 3G band 1/19
- LTE band 1/3/19/21
データ通信専用のLTE対応SIMを同時発表
VAIOS11はSIMフリー機となっているので、ドコモ系の回線を使っているMVNOであればどの会社のSIMで使えます。その上、VAIO株式会社は「PCでの利用を前提としたSIMプラン」という今までにないプランを公開しました。
プラン | 利用期間 | 低速モード(200Kbps) | 高速モード(最大150Mbps) | 単体SIM価格 | 端末同時購入価格 |
1年プラン | 1年 | 使い放題 | 32GB | 1万3800円 | 1万1800円 |
2年プラン | 2年 | 使い放題 | 64GB | 2万2800円 | 2万800円 |
3年プラン | 3念 | 使い放題 | 128GB | 3万2800円 | 2万9800円 |
VAIOが打ち出す「LTE通信を年単位契約」MVNOプラン
VAIO株式会社が打ち出した契約プランは「一年単位契約の使い切りプリペイド契約」というプランです。
「200kpsの常時接続と最低32Gの高速通信モード」を「一年単位」で契約する
このプランも基本的には他社のMVNOと同じように「低速の常時接続常時接続に付属の高速接続」という物です。
一年間で税抜き13800円のプランから三年間で32800円のプランまで三つを選ぶことが可能で、一括払いのみなので月額支払いの必要はありません。
このようなプランになっている理由として基本的にはS11という「ノートパソコン」向けなので、「滅多に外に持ち出さないけど持ち出す事が無いわけでもない」「出張の際には良く使うけど普段はあまり使わない」などと言った方には、日常的に持ち歩く携帯向けのMVNOは使いにくいという所が上げられるためです。
そこでVAIO株式会社は一年単位という長期間での契約で「ノートパソコン利用者が使いやすいLTE通信」を自ら作ったという訳です。
真骨頂は200Kbpの低速通信使い放題
年契約中であれば200Kbpsの低速通信を無制限で使えるのがポイント。例えば状況によってWiFi環境を利用するユーザーもいるでしょうし、そもそも高速通信を使う頻度が少ない方もいます。
そう考えると低速無制限がついているのは非常にお得と言えそうです。
月額料金は単体MVNOを利用する方が実はお得
VAIO S11と専用SIMをセット購入すると若干安くはなりますが、実はDMMモバイルやIIJmioのSIMカードを使った方が総合的にはお得です。今回のS11+データSIMを月額料金に直してみると、
VAIO S11専用SIMの場合
- S11 SIM(32GB): 11800円÷12=約983円/月(1か月当たり2.66GB)
- S11 SIM(64GB): 20800円÷12=約1733円/月(1か月あたり5.33GB)
- S11 SIM(128GB):29800円÷12=約2483円/月(1か月あたり10.66GB)
DMMモバイル/データ専用SIMの場合
- 3GB 850円/月
- 5GB 1210円/月
- 10GB 2190円/月
上記の通り、1月あたりの月額料金と高速通信容量を比べると、圧倒的にDMM mobileのほうが安いです。両社のメリット、デメリットを改めて挙げてみると、
VAIOデータ専用SIM | DMMモバイル | |
メリット | 1年は容量がなくならない | 月額料金が安い/解約OK |
デメリット | 1年分まとめて購入 | 月単位の高速通信量 |
といった感じになります。VAIOのMVNOは1年間は高速通信容量を保持できるというメリットがありますが、逆に「1年分まとめて購入のプリペイド式」というデメリットも。
対するDMM mobileは「月額料金が安い」ことに加え「途中解約もOK」です。例えば「やっぱり自宅WiFi環境がメインになった」や「スマホからのテザリングで十分間に合った」といった場合に、バイオのSIMだとすでに前払いしているので解約や金額バックが不可能です。
その点DMM mobileのデータ専用SIMであれば途中解約の解約金もないですし、月額料金もこちらの方が安いです。…動作確認済み端末ではないですがDocomo回線なら使えるはずなので、相対的にみると端末とSIMは別ルートで購入した方が運用しやすいでしょう。
公式サイト:DMM mobile
単体での端末購入:Amazon
VAIO S11、LTE対応PCとMVNO格安SIMセット販売のまとめ
新型のVAIO発表の陰に隠れていますが、MVNOとして「パソコン向けに特化したデーター通信SIM」を打ち出したというのは今後の業界の動きに一石を投じる事になるかもしれません。
また年単位のプリペイドSIMというのも珍しく、スマートフォンとうまく組み合わせる事で今までにない面白い使い方が生み出されるかもれませんね。
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